専用機を買うほど使用頻度が高くない実験用のオーディオジェネレータ(信号発生器)ですが、PCを使って構築してみました。
今回はこの内容の紹介になります。
■PCを実験用のオーディオジェネレータ(信号発生器)として使ってみる
●使用するアプリ・ハード
・アプリ(WaveGene オーディオジェネレータ)
使用するPCアプリ(信号発生器アプリ)はコレです。
多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene |
正弦波・矩形波・三角波などの色々なテスト用音声信号を計算により発生させ、サウンドデバイスや、ファイルへ出力するツールです。
・ハード(オーディオアイソレータ)
PCと被測定器を直流的に分離(絶縁)するアイソレータです。
ある意味PCをオーディオジェネレータ(信号発生器)として使う上ではアプリ以上に重要なのはこのハードだと思います。
オーディオアイソレータの例(2種類) |
本品の中味はトランスです。直流(DC)的な結合を遮断するので、GNDループによるノイズを抑制し、PCと被測程器間のGND結合による不用意な故障も防ぎます。
残念ながら私が購入したものはいずれも終売ですが、Amazonで同等のものは沢山あります。
この手の商品って需要があるんだろうか🤔?と思いましたが、どうやらカーオーディオのノイズ除去にかなり有効なようで結構豊富にモノがありますね。
●使い方
・アプリ(WaveGene)
特に難しいことはないと思います。周波数・出力レベル・出力先等を設定して、画面左上の『▶』ボタンを押下すると設定したPCのオーディオ出力端子(アナログ・デジタルなど)から信号出力が始まります。
・ハード(オーディオアイソレータ)
アイソレータの中味はトランスなので、完全に入力電圧=出力電圧とはなりません。入出力ゲイン・周波数特性が存在します。
手持ちのオーディオアイソレータの入出力周波数特性(無負荷時の実測値) |
トランスが小さいので、低域はこんなモンですかねぇ~😅。
という訳で(?)、本システムをオーディオジェネレータとして使うときにはアイソレータの出力電圧を基準に測定を行う必要があります。
●使用感
最大出力電圧の振幅を稼げるようにPCのオーディオ出力ではなくホームステレオのヘッドフォン出力をアナログ出力として使ってみました。
現実的に使えそうなスペックは以下のような感じです。
- 使用可能な周波数範囲:100Hz~16kHz
- この値はWaveGene, PC, オーディオアイソレータ等の性能に依存すると思います。
- 【参考1】:20kHzではそもそもホームステレオから信号が出力されませんでした(ホームステレオのDACの性能に依存しているのでしょうか)。
- 【参考2】:オーディオアイソレータを使わなければ(ホームステレオからは)20Hzでも信号は出力されています。
- 最大出力電圧(@1kHz, ノンクリップ出力):5.5Vrms
- この値はホームステレオの出力性能に依存すると思います
本システムでのノンクリップ最大出力電圧(@1kHz, 約5.5Vrms) |
●まとめ
オーディオ帯域の信号発生器としてはちょっと帯域不足ですが、振幅は5.5Vrmsまで稼げますし、オーディオジェネレータとしてそこそこ使えると思います。
○【おまけ:現在入手可能なオーディオアイソレータ】
上記したように私が使っているオーディオアイソレータは既に終売なのですが、同等の機能を持っていると思われるものはAmazonでも沢山あります。ただし実際に使ってはいないので同様の性能・機能なのかは不明です。
・ケース付きタイプ
ケースに納まったタイプです。
Smof ノイズフィルターグランドループアイソレーター aux ノイズ除去、 3.5mm対応ホームオーディオ、カーステレオシステムで - Amazon |
・ケース無しタイプ
部品・基板がむき出しのタイプです。実験に使うのであれば、(測定器で触り易いので)こちらの方が良いかもしれませんね。
Andifany オーディオステレオアイソレーター 電流の音を排除する 干渉フィルターエリミネーター グランドループサプレッサーのノイズアイソレーション - Amazon |