PCをオーディオジェネレータ(信号発生器)として使ってみる 【改良版 その2:ハイレゾ編】(WaveGene・USBアイソレータ使用)

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専用機を買うほど使用頻度が高くない実験用のオーディオジェネレータ(信号発生器)ですが、PCを使って構築してみました。その第3弾(改良版2:ハイレゾ編)です。


今回はこの内容の紹介になります。


■PCを実験用のオーディオジェネレータ(信号発生器)として使ってみる

●使用するアプリ・ハード

・アプリ(WaveGene オーディオジェネレータ)

使用するPCアプリ(信号発生器アプリ)はコレです。
多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene

正弦波・矩形波・三角波などの色々なテスト用音声信号を計算により発生させ、サウンドデバイスや、ファイルへ出力するツールです。

本アプリはハイレゾ(24bit/384kHz)にも対応している優れものです。
 


・ハード1(USB DAC)

PCからのUSBオーディオ(デジタル)信号をアナログ信号に変換するDAC(DAコンバータ)です。

今回はハイレゾ(24bit/96kHz)に対応しています。
LOKUKA usb オーディオ変換アダプタ DACチップ内蔵 24bit/96kHz ハイレゾ再生 高耐久 usb オーディオ USBポート to 4極(TRRS) 3.5mmミニプラグ ステレオ変換 USB イヤホンジャック 変換 通話/音楽再生対応 28cm LA1 - Amazon

Amazonで999円でした。
今回は音質等を気にしない用途なのでハイレゾ対応DACの中でひたすら安い本機を選択してみました。


- 製品仕様(Amazon商品ページより):

  • コネクタ形状:USB-A(オス)-3.5mm ステレオミニジャック(4極メス)
  • サンプリング周波数:96kHz、量子化ビット数:24bit
  • 重量:約16g
  • 長さ:全長約28cm(※両端コネクタ部含む)
マイク入力(ADコンバーター)も装備しています(この機能もいずれ測定器として使えそうな気がしています😋)。


・ハード2(USBアイソレータ)

PCと被測定器を直流的に分離(絶縁)するアイソレータです。

ある意味PCをオーディオジェネレータ(信号発生器)として使う上ではアプリやDAC以上に重要なのはこのハードだと思います。
DSD TECH SH-G01B USBアイソレーター 高速 ADI ADUM3165チップ付き - 480Mbps - Amazon

本品は信号・電源共に入出力を絶縁します。直流(DC)的な結合を遮断するので、PCと被測程器間のGND結合によるPCの不用意な故障を防ぎます。
アイソレータの中味は所謂トランスではありませんが、意味が分かり易いようにトランス記号を使いました😋

本機は480Mbpsの通信速度に対応しています。この速度に対応しているモノの中では一番安価だと思います。Amazonで3893円でした。

非ハイレゾUSB DACの時に使ったUSBアイソレータ(通信速度:12Mbps)でも今回の用途では問題ないのですが、将来のことも考えて本機を購入してみました。


- 製品仕様(Amazon商品ページより):

  • モデル:SH-G01B
  • メーカ:DSD TECH
  • メインチップ:ADI ADUM3165
  • インターフェース:USB 2.0
  • 電源入力: 5V
  • 低(1.5Mbps)、フル(12Mbps)、高速(480Mbps)をサポート
  • 電圧絶縁:1500V
  • オーディオ互換性:PCM 32bit/768kHz、DSD512ネイティブなど
付属品は取説です(読む機会はないと思いますが😅)

通信線も電源線も絶縁されているようです。通信速度が480Mbpsなのでハイレゾの多チャンネル伝送にも使えそうですね😋。


●使い方

・アプリ(WaveGene)

特に難しいことはないと思います。周波数・出力レベル・出力先等を設定して、画面左上の『』ボタンを押下すると設定したPCのオーディオ出力端子(アナログ・デジタルなど)から信号が出力されます。


・ハード1(USB DAC)

我が家のPCでは、今回使用したUSB DACは『ヘッドホン KT USB Audio』として認識されています。

使いたいときにはこのデバイスを選択すればOKです。


・ハード2(USBアイソレータ)

本品はPCとUSB DACの間に挿入するだけです。使い方として書くことは特にありません😅。PCに接続し電源(5V)が供給されると赤LEDが点灯します。
PCと被測程器の絶縁はこれで完璧😋

念のために入出力のUSB端子の同一端子間をテスターで確認しましたが、無事に絶縁されているようです(=ショートはしていませんでした)。


●使用感

・本システムの使えそうなスペック

実際に使ってみて現実的に使えそうなスペックは以下のような感じです。
  • 周波数範囲:20Hz~32kHz(±1dB)
    • 【参考1】:32kHz以上でもDACから信号は出力されますが上下に揺れてしまいます。用途次第でしょうか。
    • 【参考2】:USBアイソレータの有無でジェネレータとしての性能に差異はありません。
  • 最大出力電圧(@1kHz, ノンクリップ出力):0.902Vrms程度
USB DACの出力


・本システムの周波数特性

今回使用したUSBアイソレータはデジタル領域で入出力信号を絶縁するので、アナログ音声(オーディオ)領域の周波数特性には影響を与えません。

なので周波数特性は良好です。
ハイレゾ対応(24bit/96kHz)のUSB DACの周波数特性



【参考1】ハイレゾ非対応のUSB DACを使用した場合の周波数特性
当たり前ですが、使える範囲は~20kHzぐらいまでです。
 【参考】ハイレゾ非対応のUSB DACの周波数特性


【参考2】アナログのオーディオアイソレータを使用した場合の周波数特性
(本件は以前に紹介している話ですが、)100Hz以下の低域がダメダメなのです。
(この特性はアイソレータに使っているトランスの性能に依存するので、全てのアナログオーディオアイソレータがこのような性能になる訳ではありません。)
【参考】アナログオーディオアイソレータを使った時の周波数特性


・USBアイソレータの給電性能

今回使用したUSBアイソレータは電源(5V)もアイソレート(絶縁・分離)しているので給電性能は気になるところです。

という訳で電子負荷を繋いで測ってみました。

結果はこんな感じです。

結構電圧がドロップしてしまいます。

USBの給電電圧の規格は4.75〜5.25Vなので消費電流が160mA以上のバスパワーの機器は動かない可能性がありますね。


・【問題点】このアイソレータはハイスピードの通信が出来ません😥

通信速度480Mbps(ハイスピード)を謳っている今回のUSBアイソレータですが、試しにUSBメモリを接続したところPCが認識しませんでした。

本件に関してはただいま解析中です。原因等が分かり次第アップしますね。


●まとめ

20Hz~32kHzまでカバーし、振幅は0.902Vrms程度まで稼げるので、オーディオジェネレータとしてそこそこ使えると思います。




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