格安のシグナルジェネレータ(発振機)を使ってみる(FeelTech FY3200S-24M)

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以前から欲しかった電子工作・実験用のシグナルジェネレータ(発振機)。PCアプリ+DACを使ったモノやアレコレとトライしてみましたが出力の電圧範囲や周波数範囲などに制限があるので「やっぱり専用機が欲しいなぁ」と思っていました。

そんな時にAmazonでかなり安い専用機を見つけてしまいました。物欲の春です。うっかりポチりました😅。
格安シグナルジェネレータ(発振機)

今回はこのシグナルジェネレータの使用感の紹介です。


■格安のシグナルジェネレータ(発振機)を使ってみる(FeelTech FY3200S-24M)

●使用するハード

今回購入したシグナルジェネレータはコレです。
ZEYUAN 高精密デジタル DDS デュアル チャネル機能信号ソース発生器任意波形/パルス周波数計 12 ビット 250MSa/s 正弦波 24 MHz - Amazon

本格的な2チャンネル出力のシグナルジェネレータです(周波数カウンター機能も付いてます)。

Amazonの商品ページにはメーカー名や製品品番が載っていませんが、現物の主銘板に載っている情報を元に調べてみると
という中国メーカーのモノのようです。
購入した製品底面の主銘板(製造番号がありませんね😅)

Amazonで8,429円でした。本格的なシグナルジェネレータの中では格安ですね。


・製品仕様(メーカー商品ページより)

Amazon商品ページより)

(注:以下はメーカー商品ページに載っている仕様(英語)をDeepL翻訳で翻訳してそのまま載せています。レイアウト以外は編集していません。)

製品仕様
  • 正弦波周波数範囲:0Hz〜24MHz
  • 方形波周波数範囲:0Hz〜6MHz
  • 三角波周波数範囲:0Hz〜6MHz
  • その他の波の周波数範囲:0Hz〜6MHz
信号出力パラメータ
  • 出力チャンネル:独立した2つの出力チャンネルの主波
  • 出力波形:
    • 正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波、パルス、ローレンツパルス、マルチプルオーディオ、ランダムノイズ
    • ECGおよび台形パルス、シンクパルス、パルス、ホワイトノイズ波形、振幅変調、周波数変調波形
    • ユーザー定義波形も可能
  • 出力振幅:≥20Vp-p以上(無負荷時)
  • 出力インピーダンス:50Ω±10%
  • DCバイアス:±10V
  • 周波数分解能:0.01Hz(10mHz)
  • 周波数精度:±5×10-6
  • 周波数安定度:±2×10-6/3時間
  • 正弦波のゆがみ:≤0.8% ( 基準周波数 1kHz)
  • 三角形の直線性:≥98% (0.01Hz~10kHz)
  • 方形波の上昇および下降時間:≤20ns以下(基準周波数100kHz、10Vpp)
  • 方形波デューティ・サイクル範囲:0.1%~99.9%
TTL出力:およびCH1チャネルおよびCH2デュアルチャネル同期TTLレベル出力、位相差調整可能
  • 出力範囲:>3Vp-p
  • ファンアウト係数:>20 TTL負荷
  • TTLレベル立ち上がり/立ち下がり時間:≤20ns以下
周波数カウンター機能
  • カウント範囲:0-4294967295
  • 周波数測定範囲:1Hz~100MHz
  • 入力範囲:1Vp-p~20Vp-p
スキャン機能:この機能は、マスターに
  •  スキャンモード:リニアスキャン、ログスキャン
  • 周波数範囲:任意開始点、任意終了点設定
  • 周波数掃引範囲:M1 プリセット周波数 ~M2 プリセット周波数
  • スキャン速度:1s~999s / ステップ
その他の特性
  • 表示モード:LCD1602 英語LCDディスプレイ
  • 保存および再展開機能:M0-M19 (M0:デフォルト呼び出し)
  • 外形寸法:200mm ( 長さ ) x 190mm ( 幅 ) x 90mm ( 高さ )
  • 重量:550G(ベアメタル)、アネックス(150G)
  • ブザー機能:プログラム設定によりON/OFF可能
  • 製造プロセス:表面実装技術、VLSI、高信頼性、長寿命
  • 操作特性:すべてのボタン、ノブは調整可能
  • 環境条件:温度 0~40 ℃の湿気: ﹤80
  • 広い電圧範囲:AC85~AC260V

付属品:入出力ケーブル*2、電源ケーブル、USBケーブル、CD-ROM(取説・PC用ソフトなど) (ケーブルタイは付属品ではありません)

取説(英語)はこちらのメーカーページからもダウンロードできます。

正弦波は24MHz/20Vppまで出力できるようです。私の用途では十二分です😋。

(本記事の本題とは関係ありませんがDeepL翻訳ってやっぱり優秀ですね。上記製品仕様の翻訳は何も修正・追記等の編集を行っていませんが、(多少笑ってしまうところはありますが)ほぼほぼ意味は分かりますモンね😋。)


●使い方・設定方法

直感的に操作できます。一般的なシグナルジェネレータを使ったことがあれば特に迷うことないと思います。

ジェネレータとして波形種類・周波数・出力レベルなどの基本的な設定を行う分には取説を読まなくても大丈夫だと思います。
前面パネル(Amazon商品ページより)


●使用感

電子工作・自作で使いそうな主の機能の使用感は以下の通りです。


・シグナルジェネレータ(発振機)

ジェネレータの出力をオシロスコープの接続して確認してみました。(無負荷です。)


- 出力波形種類

正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波などいずれも良好です。
ジェネレータ出力設定:正弦波・方形波、出力電圧3Vpp(=約1Vrns)@1kHz

         ジェネレータ出力設定:三角波・のこぎり波、出力電圧3Vpp(=約1Vrns)@1kHz

1kHzにしては方形波はちょっと立ち上がりが鈍ってますね(オシロのプローブはちゃんとキャリブレーションしてますよ😋)。

操作について
『WAVE』ボタンを押して画面を選択し、ダイヤルを使って出力波形を選択します。
ジェネレータ画面表示(取説より)


- 最大出力周波数

製品仕様通り正弦波は24MHzまで、それ以外は6MHzまでは出力できそうです。
  • 確認結果
    • 正弦波(※1):24MHz以上
    • 方形波:6MHz以上
    • 三角波:6MHz以上
※1:我が家のオシロは周波数帯域が20MHzなのですが、なんとか24MHzも測定できました。

ジェネレータ出力設定:3Vpp(=約1Vrns)

正弦波は出力電圧が設定よりも下がっていますし、方形波は大分形が崩れていますが、分かっていれば使えそうです。

操作について
『PARM』ボタンを押して画面を選択し、矢印キー(◀▶)とダイヤルを使って設定します。
ジェネレータ画面表示(取説より)


- 最大出力電圧

製品仕様の20Vpp以上が出力できるのは以下の周波数までです。
  • 確認結果
    • 正弦波:9MHz以下
    • 方形波:6MHz以下
    • 三角波:3MHz以下
         20Vppが確保できる最大周波数での波形(ジェネレータ出力設定:20Vpp(=約7Vrns))

振幅が大きく周波数が高い領域では大分波形が歪んでますね😅。
(この歪みはジェネレータの出力段のアンプの性能だと思います。私としては良くこの周波数まで20Vppで頑張っていると思っています。)

操作について
『PARM』ボタンを押して画面を選択し、矢印キー(◀▶)とダイヤルを使って設定します。
ジェネレータ画面表示(取説より)

この出力電圧の表示は『Vpp』です。
(上記の画面表示『05.00V』は『05.00Vpp(=1.77Vrns)』という意味です。)

これは(特に正弦波の時は)ちょっと使いづらいですね😅。


- 出力OFF時の出力インピーダンス

出力OFF時の出力端子のHOTとGND間のインピーダンスをテスターで測ってみました。(テスターによる測定なのでDC値です。)
  • 確認結果
    • 出力OFF時の出力インピーダンス:58Ω
出力OFF時の出力端子のインピーダンス測定

ほぼ製品仕様(50Ω±10%)通りです。これなら簡易的なS/N測定などにも使えますね😋。


- 2チャンネル出力

本機は2チャンネルの出力を備えています。波形・周波数・電圧など各種設定はチャンネル毎に独立して行うことができます(※2)。

※2:初期設定ではCH1とCH2は独立して各種設定ができるようになっていますが、波形種類・周波数・電圧・デューティ・オフセットは同期させて設定することも可能です。

操作について
『CH1』『CH1』ボタンで出力チャンネルを選択し、『WAVE』『PARM』画面で矢印キー(◀▶)とダイヤルを使って設定します。

画面表示と設定チャンネルとの関係は
  • MF』の表示:CH1の設定画面
  • SF』の表示:CH2の設定画面
となります。
ジェネレータ画面表示(取説より)

画面表示を『CH1』『CH1』としなかったのはLCDの表示桁数の都合でしょうか😁?


【おまけ?】プリセットされている出力波形(AM変調, FM変調)

本機にはプリセットされている出力波形がありますが、プリセットの9番(PRE9)と10番(PRE10)にはAM変調とFM変調の波形が用意されています。
プリセット出力波形:AM変調波形(PRE9)、FM変調波形(PRE10)@100kHz, 3Vpp


・周波数カウンター

周波数カウンターの入力にジェネレータの出力を接続して確認してみました。(正弦波・無負荷です。)


- 測定可能な最大周波数

信号源電圧が1.5Vpp以上の正弦波であれば、製品仕様通り100MHzまで測定できそうです(※3)。
  • 確認結果
    • 信号源電圧1Vpp未満:測定できません
    • 信号源電圧1Vpp:15MHzまでは測定できました
    • 信号源電圧1.5Vpp以上:24MHz以上(※3)
※3:ジェネレータの最大出力周波数が24MHzのため、これより高い周波数は確認できていません。

周波数カウンターの表示の例(測定値10MHz)

操作について
『COUNT』ボタンを押すだけで入力された信号の周波数が表示されます。簡単ですね。


・外部制御(USB)

本機はUSB端子を装備していてPCとの間でデータの通信等を行うことができます。
本機のUSB端子

私は本機能を使っていません😅。

使ってみたら、使用感をアップしますね😋。


・そのほか

- ACプラグ

本機に付属のACケーブルのプラグは刃が薄いので(厚さ:実測1.0mm)、コンセントによっては力を入れずとも簡単に抜けてしまいます。ちょっと困りものですね。
本機のACプラグは刃が薄い(刃の厚さ:実測1.0mm)

本機のACインレットは一般的なメガネ型のインレットなのでACケーブルは交換したほうが良いかもしれません。
本機のACインレット


●改善要望点

  • 出力電圧が『Vpp』表示なのは正弦波の時は使いづらいです。『Vrms』にして欲しいです(欲を言えば『dBV』表示も欲しいところです)。
  • ACプラグの刃はもっと厚くして欲しいです。
  • (欲を言えば、)周波数カウンターの最大入力電圧は商用電源を測定できる範囲(AC100Vrms≒AC300Vpp)にして欲しいです。


●まとめ

小型・軽量で24MHz/20Vppまで出力することが出来る本格的なシグナルジェネレータです。電子工作・自作で使う分には十二分な性能ではないでしょうか。

良い買い物をしたと思っています。

正弦波(特にオーディオ帯域)の歪み率が製品仕様上0.8%以下(@1kHz)となっているのがちょっと気になりますが、本件は別途確認しますね😋。




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