電子工作の交流(AC)の実験用ダミーロードとして抵抗器を購入しました。
以前、(100Wと謳っている)超小型の抵抗器を購入して失敗したので、今回はちゃんとした(😅?)大型品です。
右上は大きさ比較用の500円玉です |
今回はこの紹介になります。
本記事の内容について私(筆者)および本ブログは一切の責任を負いません。参考にされる方は全て自己責任にてお願いします。
■格安200Wセラミック可変抵抗器のダミーロードとしての実力を確認する
●使用するハード(抵抗器)
今回ダミーロード用として購入した抵抗器はコレです。
Frurdiem 4X 200W 100オーム セラミックチューブ可変抵抗器 緑 - Amazon |
特筆すべきはこの抵抗器は抵抗値を可変できるので様々な用途の負荷として使えそうです(低抵抗で使用する時は電力に配慮が必要ですが)。
・製品仕様(Amazon商品ページより)
- 製品名:調整可能巻線抵抗
- 定格電力:200W
- 抵抗:100オーム
- 耐性トレランス:±5%(J)
- 穴径(約):0.52cm / 0.2 インチ(Dia)、1.4x0.66cm / 0.55インチ x 0.26 インチ(L * W)
- セラミックチューブ調整可能なレオスタット抵抗
- チューブ径(約):2.9cm / 1.142 インチ
- 総サイズ(約):28 x 2.7 x 6.1cm / 11 インチx 2.5インチ x 2.4 インチ(L * W * H)
- メインカラー:グリーン
- 材質:メタル、セラミック
- 重量:294g/ピース
- パッケージ内容:4 x 可変巻線抵抗
付属品:なし(今回購入したのは本品が4本入りです) |
激安品の簡易包装で中国から送られてきたので、固定のための脚が曲がっているのは御愛嬌😋ですね。
【実測サイズ・重さ】
脚を正しく😅伸ばして、サイズ・重さを実測してみると
- 全長:約33cm、高さ:約65cm、幅:約2.7cm
- 本体取り付け溝幅:約6.5mm
- 電極取り付け穴:
- 固定電極穴径:約4.8mm
- 可変電極穴径:約4.4mm
- 重さ:333g
です。
仕様より大きいです。取り付けの時には考慮しないといけませんね😋、
実測サイズ |
重さも仕様(294g)よりちょっと重いです。
実測重さ |
●抵抗器の実力確認
・抵抗値の確認
- 全抵抗値
全抵抗値をテスターで測ってみました。
テスターで実測したところは以下の通りでした。
- 抵抗1:99.30Ω
- 抵抗2:98.25Ω
- 抵抗3:95.05Ω
- 抵抗4:98.62Ω
仕様上は『抵抗: 100オーム』『耐性トレランス:±5%(J)』なので全て仕様内ですね😋。
- 可変抵抗値
本抵抗器は抵抗値を可変できる所謂ボリューム機能があります。
使い方は簡単です。抵抗の外部に露出している電極部分に可変電極端子をスライドさせて合わせるだけです。
抵抗値と可変電極端子位置(電極間隔)はリニアです。使い易いですね。
可変電極端子の位置と抵抗値 |
抵抗値を低くして使用する場合には、耐電力も低下するので配慮が必要です。
【おまけ?可変分解能】
可変分解能(電極の刻み幅)はモノによって違いますね😅。格安品ならではの御愛嬌でしょうか。ダミーロードとして使う分にはそれほどの精度は求めないので何ら問題はありません😋。
・温度上昇の確認(抵抗器単体で25W消費時)
実験として200Wより小さな消費電力で抵抗器表面(緑色の部分)の温度上昇を確認してみました。
実験は抵抗器1個が約25W消費するように(=2個直列でAC100Vを印加)して行いました。
1個あたりの消費電力25Wの時の抵抗器の表面温度を測定 |
抵抗器は木の台に置いています(万が一にも熱で机が傷まないように)。
結果は
- 温度上昇値(⊿T):約66deg
- (初期値:26.1℃⇒収束値(40分後):91.4℃(40分間の通電で温度はほぼ飽和しました))
でした。
この温度上昇からすると、25Wが限界レベルですが、25Wであれば電子工作用のダミーロードとして使えますよね😋(個人の見解です。触れられない温度ではありますが😅)。
【参考:抵抗器単体で100W消費時の温度上昇】
試しにですが、単体でAC100Vを印加した時(消費電力100W)の温度上昇も測定してみています。
結果は
- (測定開始から5分、温度収束前)温度上昇値(⊿T):約92deg
- (初期値:26.1℃⇒5分後:117.7℃)
でした。
(まだまだ温度上昇し続ける)測定開始5分でこの温度上昇値は残念ながらNGですね(個人の見解です)。
●ダミーロードとしての使い方
上記の実力確認実験から、(長時間使用では)この抵抗器は25Wの負荷として使えそうなことが分かりました。
・ダミーロード治具としての整備
- 可変電極の固定ネジの変更(交換)
可変電極端子の位置を固定するネジは+(プラス)ネジです。舐めてしまって抵抗値が調整不能になってしまうの怖いので、信頼性の高い六角穴付ボルト(M3x15mm)に変更しました。
(100均グッズもそうですが、)格安品を便利に使いこなすにはこういったひと工夫が大切ですよね😋。
- 木台への取り付け(固定)
ここではダミーロード治具として使い易いように、そして抵抗器が倒れて高温になる抵抗部分が机や床に触れたりしないように、木の台に固定します。
抵抗部分(緑色の部分)は固定用の脚で木台からは浮いているので、木台に熱はほとんど伝わりません。
(ちなみに木材が発火する温度は
400~460℃と言われています。そうやすやすとは燃えません。
木台への取り付け(固定) |
ホームセンターでちょうど良い板切れ(19cm*39cm*1.5cm。100円😋)を見つけました!
以上で治具としての整備は完了です。
・ダミーロード治具としての使い方(モード)
以下では(上記の実力確認実験の結果より)抵抗器1本の耐電力を25Wとしています。
- AC100V/25Wモード
100Ωを4個直列に繋ぐことによって400Ωとなり、AC100V/25W(=100V^2/400Ω)の負荷として使えます。
AC100V/25Wモード(4個直列) |
- AC100V/50Wモード
100Ωを2個直列に繋ぐことによって200Ωとなり、AC100V/50W(=100V^2/200Ω)の負荷として使えます。
AC100V/50Wモード(2個直列) |
- AC100V/100Wモード
100Ωをシリパラ(直列&並列)に繋ぐことによって100Ωとなり、AC100V/100W(=100V^2/100Ω)の負荷として使えます。
AC100V/100Wモード(4個直列&並列) |
- 8Ω/32Wモード
本抵抗器は可変抵抗なので、オーディオアンプの測定の負荷としても使えます。
抵抗値を32Ω(8W)に調節して4個並列に繋ぐことによって8Ωとなり、8Ω/32Wの負荷として使えます。
8Ω/32Wモード(4個並列) |
※ 抵抗値を32Ωにするので、耐電力は減少して1個あたり8Wとなります。
【注意事項】
本抵抗器は巻線抵抗なので思いっきり誘導成分(インダクタンス分)があります。(特に)デジタルアンプの評価時には正しい測定ができない可能性があるので配慮が必要です。
誘導成分(インダクタンス分)の測定(LCRメーター使用) |
●改善したい点
- 冷却用のFANを付けて耐電力を上げたいですね😋
●まとめ
安心して使えるダミーロード治具(最大100W)を安価に作るすることができました♪抵抗値が可変できるのも魅力ですね😋。
本記事の内容について私(筆者)および本ブログは一切の責任を負いません。参考にされる方は全て自己責任にてお願いします。