はんだごての温度調節器を自作してみる(格安サイリスタ(トライアック)使用)

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我が家のはんだごては40Wなので今どきの面実装部品に使用するには熱すぎ(出力が大きすぎ)ます。そこで温度調節器(電圧調節器)を作ってみました。せっかく作ったので備忘録としてまとめておきます😋。

本記事の内容について私(筆者)および本ブログは一切の責任を負いません。参考にされる方は全て自己責任にてお願いします。


作ると言っても格安の電圧調節モジュールをケースに入れただけです😅。 モジュール以外は我が家のありあわせのモノ+αで作ったので見た目は良くありませんね😆。

激安モジュールです(中国からの送料込みで443円)。AC1次側で使うので実際にケースに入れるにあたっては万が一に備えていろいろと気を遣いました。


■はんだごて温度調節器の作成

以下は今回の調節器を作るにあたって気を遣ったポイントです。

●材料・工具リスト

・材料

  • 電圧調節モジュール:1
  • ヒューズ(125V/1A Φ6.4✕30mm PSEマーク付き):1
  • ヒューズホルダー:1
  • プラグ付きACコード:1
  • コネクタ付きACコード:1
  • 絶縁被覆付丸形圧着端子(RAV2-3.5):4
  • グロメット(内径5mm):2
  • グロメット(内径3mm):2
  • 熱収縮チューブ:少々
  • 結束バンド:3
  • ケース:1
全てをイチから揃えると1,000円ぐらいですかね(ウチにはACコードなどの有り合わせのモノがありましたのでもっと安くすみました)。


・工具

  • ドライバー(+)
  • 精密ドライバー(ー):半固定抵抗調整用
  • ドリル
  • リーマー
  • はんだごて
  • 圧着工具(電工ペンチ)
  • ニッパー
  • テスター:AC電圧確認用
  • 電力計:AC電力確認用


●AC1次側の保護(ヒューズの取り付け)

本モジュールはモジュール自身の不具合を保護する機能がありません。そこでモジュールの入力側にヒューズを付けることにしました。モジュール上でトライアック(サイリスタ)等の部品が入っているライブ側(IN-L)にヒューズを入れる事にします。またヒューズ交換時に感電しづらいようにヒューズホルダーのヒューズ挿入口から遠い方の電極をACプラグ側としました。

回路図(?)にすると以下のような感じです。気の遣いどころが全く表現できませんが😅。

ヒューズホルダーの電極とコードは物理的に外れないように360°以上十二分にからげてからはんだ付けします。


・ヒューズ容量

使用するはんだごてが40Wなのでヒューズ容量は余裕をもって1Aとしました(万が一の不具合時(ショート時)もすぐに切れてくれると思います(個人の感想です))。
ヒューズはもちろんPSEマーク付きです。


●モジュールやヒューズホルダーがケースから外れた時の保護

万が一モジュールやヒューズホルダーがケースから外れてもショートしないようにケース内はとにかく絶縁を徹底しました。
  • モジュールの入出力には絶縁被覆付丸形圧着端子(円端子。上記写真の青)を使用しました(圧着端子の圧着には必ず専用の工具を使ってください)。
  • またヒューズホルダーの電極は熱収縮チューブを2重にしています(上記写真の赤と黄)。
  • そして入力側の線はモジュールに触れないようにケース背面に固定しました(結束バンド使用)。
  • 最後に、ACコードに傷がつかないようにケースからコードを出すところにはグロメットを使用し、モジュールやヒューズホルダーにケース外のコードから力が加わらないようにケース外でコード同士は結束バンドで束線しました。


●出力電圧範囲の設定

本モジュールは基板上の半固定抵抗を使って出力可能な最低電圧を調節することができます(半固定抵抗は上図を参照ください)。
電圧調整範囲ははんだごての電力が20W~となるように実際に電力計で確認しながら75V~100Vとしました。


●モジュール自体の温度保護

トライアック(サイリスタ)の温度上昇がとても気になるのでケース底面には通風孔を設けました。なのですが、実際には最大出力(40W)時でもヒートシンクは全く熱くない(手で触っても全く熱く感じません。せいぜい30℃ぐらいだと思います)なので通風孔は不要なようです。
(作成手順上、ケース底面の孔は先に開けてしまったのですが、ケース天面はゴミの侵入を恐れて孔を開けるのを止めました。)


・モジュール使用上の注意(最大出力)

本モジュールの出力電力は商品説明に有る程の実力はありません。
仮にトライアックのON電圧を1Vとすると100Wの機器を制御する場合(力率を無視してざっくり電流が1Aとすると)、トライアックの損失は1V✕1A=1W(最大)となります。なのでモジュールに実装されている小さな放熱器(ヒートシンク)だと結構熱くなると思います。放熱に考慮が必要だと思います。
Amazonの商品説明にある2000W(≒20A?)で使うと、モジュール上のトライアック(サイリスタ)が熱破壊します。


【おまけ情報】出力電圧波形 

本温度調節器の出力波形を手持ちのポケットオシロスコープで測ってみるとこんな感じです。
はんだごて温度調節器の出力電圧
(この波形は変換基板を使って測定しているのでオシロ上の電圧は減衰しています。)

トライアックの位相制御動作の波形は波高値が変わらないので、実験用のAC電圧調節器という観点ではスライダック(変圧器)が欲しいなぁ😋と思います(高価だし、場所を取るので買えませんが😅)。


今回の温度調節器の備忘録は以上となります。


いつも思っていますが、格安製品を使いこなすにはひと工夫・ふた工夫が必要ですよね。
で、そうするとなんだかんだで金がかかってしまいます…。既製品買ったほうが良かったような…😅。
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ま、そんなこんなですが、ESP32を使ったスマートホーム向け汎用トリガーを作るよりもこっちの方が楽しいな♪(個人の感想です😋。)


再記しますが、本記事の内容について私(筆者)および本ブログは一切の責任を負いません。参考にされる方は全て自己責任にてお願いします。




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